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自傷

自傷行為とは、自らの身体を意識的・無意識的に拘らず傷つける事を言いいます。
自傷をしている人は決して「死にたいわけではなく」心のメッセージを伝えたい、感情を表現する方法として行なっている場合が多くあります。

自傷行為は大きく分けて3種類あります。
1.最も多いのが表面的な自傷で、爪や釘や針、刃物で両腕や胸を傷つけるタイプ。
唇の皮膚をはいだり、眉毛、まつげ、髪の毛を抜いたり、火傷させたり、たたいたり、骨を折ったり、治りかけた傷の癒しを妨げたりすることもあります。
傷を隠すために肌をださない服装が多くなります
2.頭を打ちつけたり、目玉を圧迫したり、噛みついたりするタイプ。
3.極端な方法で自分を傷つけ、元の身体には回復できないほどになるタイプ。
性的な虐待や肉体的な虐待を過去に受けたケースも多く、親にかまってもらえなかった子供時代をおくった人などにもこのようなケースが見られます。
うつ病、不安、パニック、強迫性障害(OCD)で薬物投与を受けている場合も少なくありません。

人生に対して無力感を感じており、自分の人生をコントロールできないという気持ちを持っています。
逆に、コントロールできるのは自分の身体だけだと思い自傷行為に走ります。
行為中は、ほぼ無意識でしているような、催眠にかかったような感じで、思考が止まり、つきあげてくる感情をその行為に没頭することにより抑圧したり、慰めたり、解放したりしているようです。
痛みを感じている一瞬だけでも不安から解放されたような気持ちになるため、依存も形成されやすくなります。

自傷によって誤って死に至ることもありますが、自傷と自殺については厳密に区別されなければいけません。


自殺

自殺とは、自分で自身の命を絶つことです。自害、自死、自決、自尽、自裁などともいいます。

自殺の危機因子
自殺へとつながる因子には特徴があります。

[自殺未遂暦]
自殺未遂はもっとも重要な危険因子です。自殺未遂の状況、方法、意図、周囲からの反応など検討する必要があります。
[精神障害の既往]
気分障害(うつ病)、統合失調症、パーソナリティ障害、アルコール依存症、薬物乱用などがあります。
[サポートの不足]
未婚、離婚、配偶者との死別、職場での孤立などがあります。
[性別]
自殺既遂者:男>女 自殺未遂者:女>男
[年齢]
連例が高くなるとともに自殺率も上昇します。
[喪失体験]
経済的損失、地位の失墜、病気や怪我、業績不振、予想外の失敗などがあります。
[性格]
未熟・依存的、衝動的、極端な完全主義、孤立・抑うつ的、反社会的などがあります。
[他者の死の影響]
精神的に重要なつながりの会った人が突然不幸な形で死亡するなどです。
[事故傾性]
事故を防ぐのに必要な措置を不注意にも取らない。慢性疾患への予防や医学的な助言を無視するなどです。
[児童虐待]
小児期心理的・身体的・性的虐待などです。

※ 「新訂増補 自殺の危険」より

自殺予防の十か条
自殺を防止するためには、悩みを抱えた人が必死になって発している救いを求める叫びを的確にとらえて、早い段階で治療に結びつける必要があります。
下記のようなサインを数多く認める場合は、自殺の危険が迫っています。早い段階で専門家に受診させてください。

1.うつ病の症状に気をつける
2.原因不明の身体の不調が長引く
3.酒量が増す
4.安全や健康が保てない
5.仕事の負担が増える、大きな失敗をする、職を失う
6.職場や家族サポートが得られない
7.本人にとって価値あるものを失う
8.重症の身体の病気にかかる
9.自殺を口にする
10.自殺未遂に及ぶ

[うつ病の症状に気をつける]
● 自分で感じる症状 憂うつ、気分が重い、気分が沈む、悲しい、イライラする、元気がない、眠れない、集中力がない、好きなこともやりたくない、細かいことが気になる、大事なことを先送りする、物事を悪いほうへ考える、決断がくだせない、悪いことをしたように感じて、自分を責める、死にたくなる ・
●周りから見て分かる症状 表情が暗い、涙もろい、反応が遅い、落ち着きがない、飲酒量が増える ●身体に出る症状 食欲がない、便秘がち、身体がだるい、疲れやすい、性欲がない、頭痛、動悸、胃の不快感、めまい、喉が渇く

[原因不明の身体の不調が長引く] そ
の他にも多くの人は、しびれ、下痢、圧迫感など原因不明の身体の不調が長引く場合、うつ病の症状であるとは気づかず、精神科以外を受診しています。
その60%以上は内科となっているのに対し精神科は6%となっています。

[酒量が増す]
とくに中高年の人で、これまで付き合い程度であったのに、徐々に酒量が増していく場合は、要注意です。
飲酒は、一時的に気分が晴れる気になるため、ついついお酒に手を伸ばすことがあります。
お酒によって不眠が改善すると信じている人もいます。
しかし、アルコールは長期的にはうつ病などの症状を悪化させてしまいます。
また、自分をコントロールする力を失い、自殺行動に及ぶ人も多くいます。
なお、お酒がないと生活できなくなったり、身体的な問題が出てきたり、対人関係に問題をきたしたりして、アルコール依存症の診断が下される状態になると問題は更に深刻化します。

[安全や健康が保てない]
自殺は突然、何の前触れもなく起きるのではなく、それに先立って、安全や健康が保てなくなるといった行動の変化がしばしばあります。
例えば、糖尿病であってもそれまではきちんと管理できていた人が、食事療法も、薬物療法も、運動療法も突然やめてしまったりすることがあります。
まじめな会社員が、借金をするようになる、何の連絡もなく失踪してしまう、性的な逸脱行動に及ぶ、いつもは温和な人が酒の席で大喧嘩をするといった行動の変化を自殺の前に認めることも珍しくありません。
まず本人の安全の確保に全力を尽くしたうえで、精神科による診察を受けられるようにしてください。

[仕事の負担が急に増える、大きな失敗をする、職を失う]
長時間労働になるほど過労死や過労自殺の危険性が高まります。
企業の安全配慮義務は重要視されてきており、従業員が心身の疲労をきたさいないような労働条件を備えると共に、不幸にして発病した場合には早期に適切な処置をすることを企業は求められています。
また、仕事一筋の人が大きな失敗をしたり、職を失ったりする場面に遭遇して、自分の存在価値を失って、急激に自殺の危険が高まることがあります。
あるいは、昇進に伴い、責任が増し、それが負担になって心のバランスを崩してしまう人もいます。

[職場や家庭でサポートが得られない]
自殺は孤立の病であると指摘した精神科医もいるほどです。
未婚の人、離婚した人、配偶者との死別した人は、結婚していて家庭を持っている人に比べて、自殺率が3倍以上も高くなります。
職場でも家庭でも居場所がなくて、問題を抱えているのに、サポートが得られない状況でしばしば自殺は生じます。
単身赴任で、そばに家族がいないために、変調に気づかれず、自殺が突然起きるという状況もめずらしくありません。

[本人にとって価値あるものを失う]
ある人にとって特別な価値があるものを失うことについて十分に考えてみなければなりません。
家族の死や仕事上のスキャンダルに巻き込まれるといったことが、自己の全存在の否定につながり、生きる価値さえ見失いかねません。
ただし、これは全ての人にとっておなじような打撃になるのではなく、個々人にとっての意味をよく考える必要があります。

[重症の身体の病気にかかる]
働き盛りの人の場合、重症の身体疾患にかかることがそれまでの人生の意味を大きく変化させることにつながり、自殺の危険を高める結果になる場合もあります。

[自殺を口にする]
これまで挙げてきたような項目を数多く満たす人が「自殺」をほのめかしたり、実際にはっきりと口にしたりする場合は、自殺の危険が非常に高くなっています。
「死ぬ、死ぬ」と言う人は本当は死なないなどと広く信じられていますが、これは大きな誤解で、自殺人の大多数は、最後の行動を起こす前に自殺の意図を誰かに打ち明けています。
また、「この人ならば、絶望的な気持ちを受け止めてくれるはずだ」という思いから、死にたいという気持ちを話してきたことを忘れないでください。
打ち明けられた人は徹底的に聴き役にまわり、話をそらしたり、批判したり、安易な激励をするのは禁物です。

[自殺未遂に及ぶ]
自殺未遂にまで及んだ場合は、緊急の危険が目前にまで迫っています。
との時は幸い救命されたとしても、再び同じような行動に出て、実際に自殺によって命を失う危険が極めて高いのです。
直ちに専門家による治療が必要です。
首をくくる、電車に飛び込むといった極めて危険な行為は誰もが真剣に受け止めます。
しかし、手首を浅く切る、薬を少し多く飲むといった、それ自体では死に至らない自傷行為であっても、長期的には既遂自殺につながる危険が高いことを忘れてはいけません。

うつ→自殺の危機経路
「危機経路」とは、ある事態がそのまま進行していくと自殺にいたる可能性の高い経路(プロセス)のことをいいます。
その中で、最も多いのが「うつ病から自殺」にいたるケースなのです。
自殺対策において、うつ病に対して予防・対策をすることは今最も必要とされていることなのですが、多くの場合、うつ病は自殺の原因であると同時に、他の危機要因が連鎖した末の結果でもあります。
そのため、予防や対策も個々の危機要因を十分に理解し、ひとつずつ解決していく必要があります。
自殺実態白書によると自殺にいたるまでには4つの危機要因が連鎖た末に、自殺に追い込まれているという結果が出ています。
つまり、人がうつ病となっている場合には、その背景には平均3つの危機要因が連鎖した末にうつ病が引き起こされている可能性があるということなのです。
そして、「危機の進行度」には3つの段階があるとされています。

第1段階:自殺のきっかけとなる最初の危機要因が発生した段階
 例:事業不振、職場環境の変化、過労など
第2段階:最初の危機要因から問題が連鎖を起こし始めた段階
 例:倒産、職場の人間関係、身体疾患など
第3段階:危機要因の連鎖が複合的に起こり事態が深刻化した段階
 例:生活苦、うつ病、家族の不和など

自殺の10大危機要因
自殺時に抱えていた危機要因全体のおよそ7割が上位10要因に集中しており、これを「自殺の10大危機要因」と呼んでいます。
自殺の10大危機要因とは自殺の原因となりうる上位10要因のことです。
上位10要因で全体の7割を占めていることから、これらの要因には特に注意が必要です。

1.うつ病  
2.家族の不和(親子間、夫婦間、離婚の悩み、その他)
3.負債(多重債務、連帯保証人債務、住宅ローン、その他)
4.身体疾患(腰痛、その他)
5.生活苦(将来生活への不安)
6.職場の人間関係(職場のいじめ)
7.職場環境の変化(配置転換、昇進、降格、転職)
8.失業(就職失敗)
9.事業不振(倒産)
10.過労

ほとんどの場合、自殺の危機要因は、それ単独で自殺の要因となっているわけではなく、ほぼすべての人は複数の要因を抱えています。
事例@ [被雇用者] 配置転換→過労+職場の人間関係→うつ病→自殺
事例A [自営者] 事業不振→生活苦→多重債務→うつ病→自殺
事例B [無職者(就業経験あり)] 犯罪被害(性的暴行)→精神疾患→失業+失恋→自殺
事例C [無職者(就業経験なし)] DV→うつ病+離婚の悩み→生活苦→多重債務→自殺
事例D [学生] いじめ→学業不振+学内の人間関係(教師と)→進路の悩み→自殺

自殺直前のサイン
自殺予防の十か条の因子を数多く満たしている、潜在的に自殺の危険が高いと考えられる人に何らかの行動の変化が現れたならば、全てが直前のサインと考えるべきです。
自殺にいたるまでには長い道程があり、直前のサインは自殺につながる直接の契機ともいえます。
準備状態が長年にわたって固定してイキ、自殺に引き金になる直接の契機はむしろ周囲から見ると些細なことに思える出来事である場合のほうが圧倒的に多いのです。

・感情が不安定になる ・突然涙ぐみ、落ち着かなくなる ・不機嫌で、怒りやイライラを爆発させる ・深刻な絶望感、孤独感、自責感、無価値間に襲われる ・これまでの抑うつ的な態度とは打って変わって、不自然なほど明るく振舞う。 ・性格が急に変わったように見える。 ・周囲から差し伸べられた救いの手を拒絶するような態度に出る。 ・投げやりな態度が目立つ。 ・身なりにかまわなくなる。 ・これまでに関心のあったことに対して興味を失う。 ・仕事の業績が急に落ちる。職場を休みがちになる。 ・注意が集中できなくなる。 ・交際が減り、ひきこもりがちになる。 ・激しい口論やけんかをする。 ・過度に危険な行動に及ぶ。 ・極端に食欲がなくなり、体重が減少する。 ・不眠がちになる。 ・様々な身体的不調を訴える。 ・突然の家出、放浪、失踪を認める。 ・周囲からのサポートを失う。強い絆のあった人から見捨てられる。近親者や知人の死亡を経験 る。 ・多量の飲酒や薬物を乱用する。 ・大切にしていたものを整理したり、誰かにあげたりする。 ・死にとらわれる。 ・自殺をほのめかす。 ・自殺についてはっきり話す。 ・遺書を用意する。 ・自殺の計画を立てる。 ・自殺の手段を用意する。 ・自殺する予定の場所を下見に行く。 ・自傷行為に及ぶ。

サイン一つひとつを見ると、誰にでも起こり得ることと思うかもしれません。
また、このうちいくつ以上認められれば自殺が起きると予測できるものでもありません。
日頃からコミュニケーションをとり、変化に気づき、総合的に判断することが重要です。
救いを求める叫びとして真剣にとらえて、専門家による治療が受けられるようにしてください。

日常の配慮
多くの人は自殺について話をすることに大きな抵抗を感じます。
「自殺について話をすると、かえって自殺の可能性を高めてしまうのではないか」と危惧する人もいます。
確かに、自殺という話題は大変繊細な心の問題であります。
しかし、人の命は一度限りのものであり、周囲に与える影響も極めて大きいことから、日常のなかで、自分のできることを意識しておくことが大切です。
日頃から声がけをして、体調や気分を聴いておくことが必要です。
そのためには、簡単なコミュニケーション技術(例:積極的傾聴法)などを学んでおくことも良いでしょう。
また、自殺の可能性が疑われる場合の相談先の資料などを用意しておくことも大事です。
たとえ、心の病気で精神科の専門治療を受けている場合でも、自殺の可能性がないわけではありません。
主治医と連携を取り、情報の共有をしてください。
そして、変化に気づいたら受診時に付き添うか、個別に相談してください。
自殺未遂をした人が精神科の治療を受けたからといって、もう2度と同じ過ちを越さないだろうと推測するのは間違いです。
自殺の危険から立ち直ったと思われる人でも、職場や家庭など様々な状況が悪化したときには、それ以前にも追い詰められたと感じ、自殺念慮が再燃します。
周りの人は、すばやく専門家を受診してもらうように援助してください。
順調に回復しているようでも、本人は「周りの目が気になる」、「何となく気まずい」、「恥ずかしい」、「迷惑をかけた」などの負い目を感じています。
そのため、本人を特別視せずに自然に対応してあげてください。

相談対応
[真剣に話を聴く]
自殺について打ち明けられたら、たまたま自分に打ち明けられたのではなく、意識的・無意識的に特定の対象として選ばれたのだと思ってください。
そのことを自覚し、きちんと相手に向き合って話を聴きましょう。

[言葉の真意を聴く]
自殺をほのめかす場合、その表現は「消えてしまいたい」、「居場所がない」、「自分は何のために生きているのだろう」、「自分は誰からも必要とされていない」など様々です。逆に、「死んでしまいたい」という言葉の背後には「現在の苦笑から逃れたい」、「見捨てられたくない」などの意味合いがあります。
この場合、「死にたい気持ち」と「行きたい気持ち」の間で揺れ動いている状態と言えます。

[できる限りの傾聴をする]
出来る限りり時間をかけてその訴えを傾聴しましょう。
徹底して聞き役に努めることが大原則となります。
何か気の利いたことを言おうなどと考える必要はありません。
焦らず、時間をかけて話すことで、本人の自殺に対する衝動が緩和されることも稀ではありません。
その場で時間が取れないときには、近い時間で別の時間を作りましょう。

[話題をそらさない]
すぐに自殺以外の話題に変えたり、訴えや気持ちを否定したり、表面的な励ましをしたり、社会的な価値観・倫理観を押し付けないようにしましょう。

[その人の重要な人との連携] 日頃から本人との付き合いが深く、本人の置かれている状況や気持ちを理解している人、本人が信頼置いている人に連絡をとり、その人の助言を得ながら関わっていくことも大切です。
一般的には家族、上司、友人などがあげられます。

[専門医への受診を促す]
うつ病などの精神疾患や自殺の危険が迫っているなと思ったら、精神科医、産業保険スタッフやカウンセラーなどによる治療や相談が不可欠です。
十分に傾聴を行なったうえで、専門医を受診することの必要性を丁寧に粘り強く本人に伝えましょう。

[自殺しない約束をする]
本人と「自殺しない」約束をすることも、自殺防止に有効であることが多いです。
約束を促したときに「そこまで本気じゃない」と言うのか「・・・いや、それはできない」と言うのかで相手の本気度を感じることもできます。

ひとりで悩まないで相談してください

生きるのもつらいあなた。
誰にも分ってもらえない苦しみを吐き出してはみませんか?
ここではあなたの心の叫びをしっかりと受け止められる安全なスペースがあります。
生きるのか死ぬのか、それだけが重要なのではありません。
あなたの心奥深くに潜む何かに一緒に目を向けます。
ひとりだと思わないでください。
一緒に悩み苦しみを分け合いましょう。
ご連絡をお待ちしております。


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